活き活きと仕事をしている人が考えていること

前回の退職エントリにいろいろコメントを頂いて、考えを深めることができたので補記的に書いておこうと思います。発散した内容ですので、順序に意味はありません。

前回の記事はコチラ

12年と1ヶ月勤めた会社を退職して思うこと
まさか自分が退職エントリを書く日が来るとは思わなかったのだけれども、 やはり人生の節目であるから記録に残しておきたいなと思った次第です。 とはいえ職務のことや会社のことはどうでも良くて、しかも個人的には円満退職だと思ってるので特に「今だから言うけど...




狙いが明確

僕が今まで出会った人たちで活き活きとしている人たちは総じて「狙いが明確」です。

この商品の売上を最大化するには今、どんな手を打つべきか?
このプロジェクトを最短で進めるためには何をすべきか?
この人の困りごとはどうすれば解消できるか?

こういった課題に対して「こうするべき」という狙いを明確に持っています。もちろん仕事に正解などないのですが、彼ら/彼女らなりに事実関係を整理し、問題を定義した上で「これだ」という手を考えています。

更に一歩上を行く人は問題の因果関係を精度高く把握しています。そのために深い思考を持ち、現象と原因を丁寧にたどっています。

例えば「営業強化のために、未熟な若手を育成しよう!」という思いつきは割と簡単にたどり着く解ですが、そこから「今、この状況でどう育成するのがベストか?」「それはなぜか?」「そのために何が必要か?」という問いに応えられる人は着実に成果も出してきます。

※活き活き働けることと成果が出ることは、一応分けて考えています。

好き嫌いではなく、事業への貢献で判断する

眼の前に様々な課題が現れますが、それらはすべて「やるべきこと」として捉えられます。「やりたいかどうか」ではないのです。なぜならそれが事業活動を停滞させる要因であり、解決しなければならない問題だと理解しているからです。

それをやったら売上は上がるのか?
それをやらなかったとしてリスクはどの程度か?
費用対効果は十分か?

それらを検討して事業に対する効果が見込めるのであれば、それは「GO」なのです。私はこれをプロ意識だと思っています。サラリーマンとはすべからく、「事業を伸ばすプロ」でなくてはなりません。アスリートが「筋トレは嫌いだ」という理由でフィジカル強化をサボることはないのと同様、プロとして必要なことをやるのは「当たり前」という意識です。

チームメンバーへ敬意を持ち、モチベートする

一緒に仕事をするメンバーについて、その人達の良いところをよく知っています。だから、誰だったら自分の欲しい情報を持っているか、誰に頼めば最高の仕事ができるかをわかっています。また、その仕事に敬意を払い、それを言葉にして伝えます。

役割によっては地味な仕事もあります。ですが、例えば契約書をチェックしてくれた人に「おかげで案件が早く獲得できたよ」と一言伝えるだけで、メンバーの貢献感は大きくなります。しかもかなりこれを自然にやってます。あざとさがない。やはり、対等に認め合い、感謝することがお互いにとって一番心地よい状態であるということが経験からわかっているのだと思います。そうするとお互い気持ちよく働けますから、更に活き活きと働けるという好循環につながっていきます。

少し話がそれますが、この「誰が何にについて詳しい」かという知識を、経営学ではトランザクティブメモリーと言います。自分は知らなくても、誰が詳しいかさえ知っていれば組織としては効率的に成果が出せるという考え方です。

活き活きと仕事をする上では、早くゴールを描く力も重要です。人はゴールが見えないとなかなか走り出せません。トランザクティブメモリーが豊富な人は、「○○さんには企画書を、○○さんには部長との交渉をお願いしよう」などと考えることでき、早期に仕事のゴールが描けるというのもポイントかも知れません。

自社の事業を信じている

この事業が人や社会の役に立っている。価値があることだと信じています。自分の仕事ではない、というところがポイントです。ここでいう仕事とは個人に割り当てられたタスクのことです。どうしてもミクロになりますから、業務内容によってはそれ単体での成果が見えにくいこともある。だからこそ前回書いたような、チーム内で役に立つというのが大事になると考えます。それはその貢献感が最終的には事業成果につながっていると感じられるからなんですね。

仕事→チームへの貢献→自分が信じる事業への成果、という連鎖によって自分の仕事への意義が感じやすくなるのだと思います。

NASAの清掃員の方が「あなたの仕事はなんですか」と尋ねられて「人類を月に送る手伝いだ」と答えた話は非常に有名ですね。ここからは私の勝手な例え話ですが(NASA行ったことないんでw)ただ掃除をするだけであれば何も充実感や貢献感はないと思います。しかし「船内の清掃作業を想定した時に何が必要か、君の意見が聞きたい」って呼ばれたことがあったらどうでしょう。宇宙から帰ってきたアストロノーツに「やっぱあなたが掃除してくれるトイレが最高だわ。オムツ蒸れるわ」みたいな雑談があったらどうでしょう。自分の意見が役立ったスペースシャトルに、顔見知りの宇宙飛行士。そんな要素が1つ2つあるだけで仕事をする時の景色が少し違ってくるような気がしませんか。でもこれは事業を信じているからこそ、つながる話なんですよね。これが誰も必要としない、誰も足を運ばない施設の清掃員だったら、誰もやりたいとは思わないでしょう。

事業というサイズ感が重要で、これが理念だとちょっと遠い。みんなで同じ方向を向くという意味では理念も大事なんだけど、それだけが重視されると何をしていいかわからない。自分がどう貢献できるか声を上げづらい。理念って何でも当てはまるように大きい枠で書かれてますからね。その点事業なら「私これなら出来ます」と言いやすいんじゃないかなと感じます。

自分の価値を知っている

そしてこれが一番大事なんですが、何だったら自分がその場所で貢献できるか。輝けるかを知っています。前回はざっくり人の役に立つということだけを書きましたが、あくまで「自分が付加価値を出せること」でなくてはなりません。ちょっぴりでもいいから、他の人よりも良い仕事ができるポイントを知らなくてはいけません。そうしないと、頼られるのではなくただの下働きになってしまうからです。

世の中にはびっくりするくらい「仕事を振ることがうまい人」が結構います。自分自身は何も生み出さないのに、うまく仕事を押し付けられそうな人を見つけては押し付け、成果だけは自分がやったかのように喧伝する人が。

そういう人に捕まると悲惨です。ただの雑用係のようになってしまうので、貢献感も何もありません。やはり仕事が終わった時に「その仕事で貢献できた自分」に満足しているかどうかは非常に大きなポイントだと思います。

まだまだ他にもありそうですが、思いついたらまた書いていきたいと思います。

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